


設計の仕事は、顧客ニーズを汲み取って製品の仕様を練り上げるところから、スタートします。マーケティングエンジニアと打ち合わせを重ねて仕様書(データシート)を決定、それをベースに図面の作成フェーズに入るのです。
回路設計では、CADツールを利用し、基本回路を組み合わせて複雑な演算を行う論理回路および、デバイスにエネルギを供給する電源や、電気信号の差異を増幅して(0,1)の情報として読み取れるようにする差動増幅器などのアナログ回路図を作成します。入力した電圧波形に対して正しい結果が出力されるかどうかの動作確認やデザイン上のルールチェックは、各種ツールやシミュレーション・ソフト上で仮想的に行われます。
次に、回路図を物理的にメモリチップ上に構成するレイアウトパターンを設計。数Mbから数Gbのフラッシュメモリの例では、一辺わずか0.5〜1.0cm四方に、数万〜数千万個のメモリセルや、数十万〜数百万個の制御回路用の素子が相互に干渉することなく整然と配線されていきます。無数の回路が並んだ様子を拡大してみると、まるで巨大なビル群からなる未来都市に迷い込んだような感覚に陥ります。
レイアウト図の完成後はマスク製作を依頼し、生産工場で実際にウェーハを試作。それをもとにデバイスの特性や初期設定を調べ、問題があれば原因を究明、改善します。製品サイクルを踏まえて設計期間はおおよそ1年。その後の製品化の過程では、プロセスエンジニアやプロダクトエンジニアと連携して、実デバイスの特性向上を目指していきます。
近年では、32ナノプロセスへの移行などデザインルールの微細化や製品の高機能化を背景に、従来とは異なる新たな設計手法が開発されています。たとえば、Spansionが2008年に発表した、ORNAND2™やEcoRAM™アーキテクチャです。業界に先駆ける、このような新テクノロジを論じる際に、Spansionの設計力の高さを切り離すことはできません。
目の前のハードルが高いほど燃えてくるのは、設計エンジニアも同じ。お互いにアイデアを持ち寄り、次世代製品に搭載される技術を提案するなど、現場はいつも活気にあふれています。